今ではなく未来に目を向ければ
想像以上の価値が
生まれるんじゃないだろうか？

学生時代から、いずれは起業したいと考えていました。ただ、いきなり事業を起こして成功するほど甘くはないだろうとも思っていて。じゃあ、まずは企業に入ってビジネスパーソンとしてのスキルを磨きながら起業の準備をしようということで、創業者の仕事を間近で見られるスタートアップや、独立する方の多い人材系企業を中心に探していました。そんな私が、なぜスタートアップでも人材系企業でもないコクヨに入社したかというと、理由は大きく二つ。得られる経験の幅と、深さでした。コクヨといえば文具のイメージが強いかも知れませんが、オフィス家具や空間設計、通信販売事業まで多くの事業を展開していて、それぞれの事業における商品ラインナップも多種多様。それに、幅の広さだけでなく、100年以上の歴史の中で培ってきた深いノウハウに大きな魅力を感じました。

ビジネスサプライ事業本部のソリューション営業として、既存顧客である大手企業を担当しています。扱っているのは、お客様が社内で使用する備品の購買管理を行うシステム「べんりねっと」。文具や家具とは違い、導入いただくのがゴールではなくスタートなのが、この仕事の特徴ですね。システムを有効に活用しつづけてもらうために、末長く信頼関係を築いていく必要があるんです。そのためには、相談されたことに応えているだけでは不十分だと思っています。商談前後の他愛ない会話や反応から困りごとのヒントを拾う。それをもとにお客様も気づいていないような課題の抽出と解決策の提案を行う。あくまで仮説をぶつけることになるので、時には外すこともありますが、提案するだけならタダですからね。毎日が挑戦のつもりで、先回りの提案で信頼関係を築けるよう日々活動しています。

「長期ビジョン CCC2030」を掲げ、理念体系も新たにしたコクヨは今、目指す未来の実現に向けた変革期を迎えています。未来に目を向けたタスクフォースや部署が生まれるなど、新しい動きも勢いを増す中で、ふと「会社だけではなく、個人としても未来に目を向けることが大切なのでは？」という問いが自分の中で生まれたんです。もともと、将来的な起業を意識して会社選びを行うなど、未来視点は持っているつもりではいました。でも、より強く意識しながら日々の行動レベルに落とし込めるんじゃないか。そうすれば、今だけを見ていては生まれないような価値や影響を生み出せるんじゃないか。そんな問いを確かめるために試行錯誤しているところです。

未来を強く意識して、遺す意識を持つようになってから、行動が変わりはじめたんじゃないかと思っています。例えば、今進行している某企業グループ数千拠点への「べんりねっと」導入プロジェクト。もちろん、リーダーとしてプロジェクトを成功させるのは必須です。ただ、もっと未来に目を向けて考えたときに、このプロジェクトを有意義な学びのあるものに、そして将来振り返ってみたときに深く意味を持つようなものにしたいと思ったんです。そこで、過去の打ち合わせ内容や仮説、振り返り等、プロジェクトの試行錯誤の過程を全て記録。共有スライドとして資料化することで、未来につながる学びにしているだけでなく、他の社員にも学びを共有できるようにしています。今後も未来に目を向けることで、俯瞰的、本質的な考えや行動を実践してより大きな価値や影響を生み出していきたいですね。