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100年以上貫き続ける
「顧客起点」を軸に
実験を繰り返して未来を描く。

コクヨは、和式帳簿の表紙を製造する「黒田表紙店」として1905年に誕生しました。それから現在まで、文房具やオフィス家具、通信販売に至るまで事業を多角化させながら、100年以上の歴史を積み重ねてきました。その根底にあるのは、創業の精神である「商品を通じて世の中の役に立つ」という想いです。徹底して顧客起点を意識して、お客様にどう役に立つのかを考え抜く。良い文具や良いオフィス家具を作ることではなく、どうやってお客様の生産性を上げ、効率化を実現するかにこだわる。製品や事業が生まれるのは、あくまでその結果に過ぎません。そんな顧客起点を貫く姿勢で、お客様や社会からの信頼を多く頂いてきたのがコクヨの歴史なのです。

現代における技術の進歩は著しく、それに伴い社会のあり方も急速に変化しています。そのような状況下で、真にお客様に貢献できる働き方や暮らし方を提案するためには、今に目を向けているだけでは不十分です。激しい変化の先を読み、いずれ訪れる新しい理想の働き方や暮らし方、そして学び方を描く必要があります。そこでコクヨは企業理念を刷新し「長期ビジョンCCC2030」として目指すべき未来を打ち出しました。これらに目を通しても、どうしてもコクヨといえば文具メーカーというイメージが強かったり、今、皆さんが使っていただいている商品がなぜ、どんな想いと工夫で生まれたのかはわかりづらいかもしれません。しかし、そこには意図があります。先ほどお話したように働き方や学ぶ目的、そしてどう生きて暮らすのかという価値観が世界中で変革の時を迎えている。そんな変化の激しい社会の中で、ただ今まで通りモノを届けるのではなく、パーパスである「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする」ことの実現の為に、モノもコトも含めて様々な価値を届けていきたい。それが、私たちコクヨの意図であり、想いなのです。ワクワクするようなワークとライフとはどのような働き方であり、暮らし方なのかをみなさんとも一緒に考えていきたいと思っています。

未来における理想の働き方や学び方、暮らし方を描く上でも、コクヨでは顧客起点を何よりも重視しています。私たちがトライアンドエラーを繰り返す実験カルチャーを大切にしている理由もここにあります。技術のトレンドやマーケットのデータだけで未来を語ることもできますが、それだけではお客様のリアルな視点や困りごとは見えてきません。コクヨ自身が顧客の目線で技術やアイデアを実践してみる。そこで実際に感じたことや気付きを踏まえた未来を予告していく。新たにコクヨの仲間になるみなさんにも思う存分実践を繰り返しながら、一人ひとりが描く理想の未来に向けて進んでいって欲しい。描く未来も、そこに向けてどう進んでいくかも、顧客起点さえ忘れなければみなさんの自由です。ただ、一つだけコクヨからみなさんに求めたいことがあります。それは意思を持つこと。どんな未来を実現したいのか、そのためにどんな挑戦がしたいのか。人生をかけて目指すような大げさなものでなくても構いません。コクヨという実験場を使って、自分の意思を形にしたい。そんな方と一緒に働ける日を楽しみにしています。


コクヨ株式会社 代表取締役 社長
黒田 英邦