Creation Story 働く人への想いから生まれた新たな商品ブランド メインイメージ
CREATION STORY

Creation Story 働く人への想いから生まれた
新たな商品ブランド

あらゆる企業のオフィスに働く人にもっと居心地の良い空間を提供したい。そんな想いから誕生した商品が、コクヨの“DAYS OFFICE”だ。2016年の発売以来、お客様に高い評価をいただき、これまでになかった家具ブランドとして新たな地位を築いた “DAYS OFFICE”は、どのような経緯で誕生したのか。そしてその新しい価値はお客様にどうやって届けられていったのか。開発リーダーと営業担当が“DAYS OFFICE”のこれまでを振り返り、そしてこれからの挑戦を語るストーリー。

オフィスにコミュニケーションを生み出す空間
それが“DAYS OFFICE”

近年、企業のオフィスでは大きな変革が進んでいる。決まったデスクを持たずに日々違う場所で仕事する“フリーアドレス”はもちろん、複数の企業や個人がオフィスを共有する“シェアオフィス”も今や珍しくない。また、そうした変革はオフィスの機能や役割にも及んでいる。良いものを安く早く大量に、という従来のビジネスでは、いかに効率よく仕事ができる空間であるかがオフィスの重要な要素だったが、ビジネスで唯一無二の価値や独創性などが重視されるようになると、それを生み出す場所であることもオフィスの重要な役割になってきたのである。
業務効率の追求だけでなく働く人の創造性を解き放つオフィスへ。そのカギを握るのはコミュニケーションだ。業務連絡や会議ではなく、何気ない会話や雑談が交わせるリラックスした空間があることで、新しいつながりが生まれ、発想がひらめき、新たな価値が創造される。そんなコミュニケーション空間を提供する商品が、コクヨの“DAYS OFFICE”である。

DAYS OFFICE イメージ画像

きっかけは、コクヨが作ったオフィスに
コクヨの家具が入っていないという矛盾

“DAYS OFFICE”の生みの親の一人である荒川真伍は、大学で建築を学びながらも、ビルでも住宅でもなく、オフィスの設計がやりたくてコクヨに入社したというちょっとした変わり種。自ら「オフィスへの愛はコクヨの中でも自分が一番」と自負する人物である。
そんな荒川が“DAYS OFFICE”開発に着手したのは2015年のこと。 「当時、イノベーションという言葉が流行り出した頃で、大手企業などでは新しい発想を生み出す場としてオフィスの中にコミュニケーションスペースを設ける動きが始まっていました。私も『カフェのような空間を作りたい』といったお客様のご要望を受けてその設計を行っていましたが、床、天井、壁はもちろんテーブルや椅子などもオーダーメイドか社外のインテリア家具を調達する場合がほとんど。気が付くと、あれ、コクヨの家具がひとつも入ってないぞ、と」(荒川)

インタビュー写真 きっかけは、コクヨが作ったオフィスに
                コクヨの家具が入っていないという矛盾

“居心地のいい空間を誰でも簡単に”をコンセプトに“DAYS OFFICE”の開発が始まった

コクヨの主力商品はオフィスの執務用デスク、チェア、収納庫などであり、それらのバリエーションは豊富に用意されている。しかしさすがにカフェのような空間に似合う家具は当時ラインナップされておらず、その結果、コクヨが設計したオフィス空間にコクヨの家具が入っていないという矛盾が生じていた。そんな設計者としてのジレンマに加え、荒川にはもうひとつ、ある状況がどうしても気になっていたと言う。
「オーダーメイドでカフェのようなコミュニケーションスペースを作るには、手間とお金と時間がかかります。そんなことができるのは、ごく一部の大手企業、ハイエンドのお客様だけでした。一般的な企業にとっては、まだまだ敷居の高い領域だったんです。でも、それじゃあ駄目だろうと。コクヨとしては、あらゆる企業に働く人にとって心地よいオフィスをつくる機会を提供する商品を用意するべきじゃないかと。だったら、それを自分たちが実現してやろうと決めました」(荒川) これをきっかけに荒川は “居心地のいい空間を、誰でも簡単に” というコンセプトを掲げ、後に“DAYS OFFICE”と名付けられる商品の開発に着手したのである。

“居心地のいい空間”という商品
それはどんな形をしている商品なのか?

荒川たちが発案した新商品開発プロジェクトは社内で正式なプロジェクトとして承認され、荒川はそのリーダーとして実際の開発をスタートした。とは言え、それがどんな商品なのか、どんな形態なのか、その姿が見えない状態でのスタートである。荒川は最初の壁にぶち当たった。
「お客様が求めるのは“空間”ですから、単におしゃれな椅子やテーブルを作ればいいのかというと、そうじゃない。それを並べるだけだと決してお客様の求める“空間”にはならないんです」(荒川)
自ら空間設計の経験を積んできた荒川には、そのことが身に染みていた。単なる家具メーカーではなく空間設計のノウハウを持つコクヨの強味、お客様の要望に合わせてフレキシブルに変化できるオーダーメイドの利点、あらゆる企業が導入できる求めやすい価格帯、これらの条件をすべて満たしてお客様の求める“空間”を提供する商品とは、いったいどんな形態なのか。部門を越えたメンバーとともには様々な形を模索し、シミュレーションしていった。

発売当初の「big counter」を空間の中心としたシリーズ展開
発売当初の「big counter」を空間の中心としたシリーズ展開

オーダーメイドと標準化、両方のメリットを併せ持つ
“DAYS OFFICE”の誕生

「オーダーメイドの図面をマニュアル化して標準化することも考えました。全国展開のアパレルやコンビニの店舗のように、どこでも同じ空間が出来上がるという方式です。しかしそれはコクヨの業務を効率化するだけで、お客様のメリットが無いということに気付いてボツ。そんなこんなで最終的にたどり着いたのが、“空間そのものを家具化する”という発想でした」(荒川)
荒川の言う空間の家具化とは、コクヨのノウハウを駆使して設計したコミュニケーションスペースを、いくつかの小さな空間に分割してユニット化するというもの。各ユニットにはそれぞれに最適な家具が設計・製作されており、お客様は自社の希望や状況に合わせてユニットを選び、それを自由にレイアウトしていくことでオリジナルの空間を作り出すことができる。つまりオーダーメイドと標準化、両方のメリットを併せ持つ商品になるのである。

こうして空間をユニット化するという商品の形態が定まり、実際のユニット開発を進めていった結果、2016年に最初のシリーズの発売にこぎつけることができた。空間のシンボルとなるカウンターを中心としたユニットだったが、それが後にコミュニケーションスペースの代名詞となる“DAYS OFFICE”ブランド誕生の瞬間だった。

コクヨの営業である私は、
“DAYS OFFICE”と共に成長してきた

“DAYS OFFICE”はコクヨにとっても未知の領域に踏み込む商品だったため、まずは最少限のユニットからのスモールスタートとなった。しかしこの商品は荒川たちの予想を超える売上を記録し、オフィス領域においてコクヨを代表する家具ブランドに成長してくことになる。
その躍進の一翼を担ったのが、実際の現場でお客様に“DAYS OFFICE”を提案し、販売していった営業担当たちだ。
望月美希も、そんな営業担当の一人。望月にとって“DAYS OFFICE”は、お互いの成長を助け合ってきた仲間のような存在だ。
「私が入社した年度に“DAYS OFFICE”が発売されたんですけど、入社して初めて迎えた繁忙期に“DAYS OFFICE”をお客様に納品したんです。それがすごい印象深くて。そこから、まるで私が年次を重ねて営業として成長するのに合わせるように“DAYS OFFICE”のシリーズが拡充されていき、いろんな提案ができるようになっていきました」(望月)

インタビュー写真 コクヨの営業である私は、
                “DAYS OFFICE”と共に成長してきた

“DAYS OFFICE”は、営業の提案プロセスを一新した

望月によれば、コクヨのオフィス営業の仕事は、お客様の業務に最適な働く環境としてのオフィスを提案し、構築すること。だから椅子や机などの家具を売るというより、オフィスや働き方そのものを売っている感覚だ。
「お客様のご要望は、椅子が一つ足りないという小さなものから、オフィスを丸ごと作ってほしいという大きなものまで様々。でもその中でコミュニケーションスペースやラウンジ空間を作りたいというご要望は、ある意味とても夢があって難易度の高いご要望だと言えます。たいてい、お互いに明確な完成形のイメージが無い状態で始まりますから、まずはそれを一致させていくのがとても大変なんです。完成形のパースCGを描いてご提案して、それを何度も修正して、それでもCGは現物ではありませんから、実際に作ってみるとお客様のイメージと違うということも起こりえます。そんな提案プロセスを一新したのが“DAYS OFFICE”でした」(望月)

お客様への提供価値を実際に体感していただける
だから提案の説得力が格段に増した

お客様をショールームにご案内すれば、そこには“DAYS OFFICE”の空間が展示されている。お客様に空間丸ごとを実際に体感していただきながらご提案することで、お客様の働くシーンを具体的にイメージしながらお互いの目線を合わせることができる。これによって提案のクオリティが各段に上がったのである。
「お客様へのご提案は、営業が考え抜いたそのお客様への提供価値そのもの。それが具体的に目に見える形で体感していただけるのですから、お客様もイメージしやすいんです」(望月)
これはお客様のスピーディで納得感のある意思決定につながり、結果的に営業活動自体のスピードアップにもつながる。時代のニーズにマッチした商品であることに加え、この好循環が“DAYS OFFICE”躍進の原動力になったのだと言える。

お客様が“DAYSOFFICE”の空間を丸ごと体験できるショールーム
お客様が“DAYSOFFICE”の空間を丸ごと体験できるショールーム

“DAYS OFFICE”を育てていくんだ
共通の想いが生んだ、開発と営業の新しい関係

“DAYS OFFICE”は、荒川たち開発担当と望月たち営業担当の間にも、新しい関係を生み出した。
「望月をはじめとする営業の人間が積極的に開発側とコミュニケーションしてくれるようになりました。“DAYS OFFICE”を納品してお客様からとても喜ばれたという報告はもちろん、オフィスにグリーンが欲しいとおっしゃるお客様が大勢いますとか、こんな空間が欲しいって言われましたとか、現場の生の声をこまめに伝えてくれるんです。開発の仕事は、ともすると現場から遠くなりがちですから、開発にとってそうした情報は貴重です。そこから市場のニーズに合った空間を開発して拡充するというサイクルが生まれています」(荒川)
これは、開発と営業の間に“DAYS OFFICE”を育てていくんだ、という共通認識があるからだと言う。立場は違えど、お客様に最適な商品をお届けしたいという共通のゴールに向かうために、新たな関係が生まれたのだ。

インタビュー写真 “DAYS OFFICE”を育てていくんだ
                共通の想いが生んだ、開発と営業の新しい関係

お客様に、新たなコミュニケーション、新たな創造意欲を掻き立てる

コクヨの内部だけではない。 “DAYS OFFICE”はお客様にも確実な変化をもたらしている。望月と荒川はそれぞれ、その現場を体験したと言う。
「“DAYS OFFICE”でフロアの真ん中にバーカウンターを設けたお客様がいらっしゃいました。そこにコーヒーマシンを置いて人が集まりやすくするという狙いだったんですが、いざ設置が終わって稼働するようになると、昼はコーヒー、夜はバーとしてお酒が振舞われたり、社員全員の憩いの場になっているそうです。それまで無かったフロア全体でのフラットなコミュニケーションが生まれたと、お客様が楽しそうに話してくださいました。私もそこまでは予想していませんでしたから、嬉しい驚きでした(笑)」(望月)
「福井のメーカーのお客様なのですが、“DAYS OFFICE”のアプリを使ってお客様自身がオフィスを設計し、それをそのまま納品させていただいたケースがあります。まさに“誰でも簡単に”というコンセプトを体現する事例ですから、嬉しくて福井までそのオフィスを見に行ったんです。すると、工場の一角にちょっとおしゃれなコミュニケーションスペースが生まれていた。しかもお客様は、私が訪問するなり次はどうしたらいいかアドバイスがほしいっておっしゃって。理想のオフィスを自分たちの手で作り上げるんだというお客様の意欲に、こちらが圧倒されてしまいました(笑)」(荒川)
お客様のオフィスに新たなコミュニケーションを生み出し、お客様の新たな創造意欲を掻き立てる。そんな価値を、 “DAYS OFFICE”は確かにお客様に届けているのだ。

※下は“DAYS OFFICE”のプランニングアプリ画面。お客様がご自身でユニットをパズルのようにレイアウトして(左)、完成イメージを確認(右)していただける。

“DAYS OFFICE”のプランニングアプリ画面 お客様がご自身でユニットをパズルのようにレイアウト(左)、完成イメージを確認(右)

“DAYS OFFICE”の経験を踏まえて、次の挑戦に向かう二人の想い

コクヨの商品の在り方、開発の在り方、営業の在り方に変化をもたらし、お客様に創造性をもたらした“DAYS OFFICE”。荒川と望月はこの商品に携わった経験を踏まえて、次の挑戦を思い描いている。

「新しいものを生み出すとき、自分の中に境界線を作らないことがとても重要だと、“DAYS OFFICE” に携わったこの数年で学びました。私は“DAYS OFFICE”の開発だけをやって終わりでもよかったんですが、結局プロモーションとか営業への売り方のレクチャーとかも全部自分たちでやらせてもらいました。でもそうすることで、この商品の本当の価値をお客様に届けることができたと思ってます。もちろん、仕事の境界を意識してその範囲の責任をしっかり果たすというスタンスも大切です。でも新しいものを生み出すときは、それだけではうまくいかない。今後も新たな挑戦の際には、自分の中に限界や境界を作らず、それを超えていきたいと思っています」(荒川)

「 “DAYS OFFICE”の営業を通じて実感しているのは、今までの常識や固定概念を破っていく働きかけや提案を、自分から意識的にやっていかなくては、ということです。私の担当するお客様は大手のお客様が多いので、お客様なりのスタイルが出来上がっていて、見慣れたオフィスの在り方を無意識に求められるんです。なのでこちらから考え方を振り切って、今はこんな働き方があるんですよ、ということをダイナミックに提案していきたい。そうすることでお客様の何かが変わる、変えるきっかけを与え続けていくことができる。それが、お客様の創造性を刺激することだと思っています」(望月)

インタビュー写真 “DAYS OFFICE”の経験を踏まえて、次の挑戦に向かう二人の想い

荒川 真伍

2008年入社
ファニチャー事業本部 ものづくり本部 コミュニケーション空間バリューチーム

コクヨを目指す学生たちへ

働くことは単なる作業じゃありません。働くことは楽しいことです。これは日々実感していることです。そう思えるから、何かにチャレンジしたり、自分自身を変化させていったりできる。だから働くことを楽しめる人に、自分という人間をステップアップさせる舞台の一つとしてコクヨを選んでいただけるといいですね。

望月 美希

2015年入社
ファニチャー事業本部 顧客フロント事業部 公共営業本部 通信営業部

コクヨを目指す学生たちへ

コクヨに入社して感じたのは、なんて自由な会社なんだということ。それはただの自由ではなく、何かを良くしたいというチャレンジであれば何でもやってみなさいと許容してくれる自由さ。だから安定志向の人だと意外に居心地悪いかも(笑)。自分でチャレンジして前向きに変わっていける人であれば、コクヨを楽しめると思いますよ。